元長野県知事の作家田中康夫氏(65)が8日、横浜市内で会見し、横浜市長選(8月8日告示、8月22日投開票)に出馬することを正式に表明した。

IR(カジノを含む統合型リゾート施設)誘致の是非が最大の争点になっている同市長選に名乗りを上げたのは田中氏で8人目。7人は反対派で、出馬の意向を固めている推進派の現職林文子市長(75)に有利な情勢となっている。「一本化する考えはないのか」との質問に対し、田中氏は「立候補の意思を述べた後に、擦り合わせをしようというのは開かれた談合のような話。これをのめば降りるとか、一本化に協力しろというのは民主主義のあるべき姿ではない」と否定した。

前日、出馬の意向を表明した元検事で弁護士の郷原信郎氏(66)は政策で一致すれば、出馬を取りやめ、元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)の支援に回ると発言している。立ち位置が似ている郷原氏との違いを明確にした。IRについて「すでに答えは出ている。どの調査をみても過半数は反対で、市民のコンセンサスは取れている」として、郷原氏が提案する選挙後の住民投票も否定した。

田中氏は16年の参院選に「おおさか維新の会」公認で東京選挙区から立候補している。「維新はカジノ賛成ではないのか」と問われると、「カジノに関する考えは変わっていないが、維新にかかわったのは私の黒歴史。私としては早めに解脱することができて良かった」と釈明した。【中嶋文明】