新型コロナウイルスの感染が拡大する中、20代の若者をターゲットに副業やデジタルコンテンツ学習などを高額契約させ、契約金を消費者金融やクレジットで強引に支払わせるトラブルが急増している。国民生活センターが若者向けに具体的な事例を公表し、注意喚起を行っている。

就職活動中の20代女性が、ウェブデザインを学ぶオンラインスクール業者と「仕事が稼げるまでサポートする」というコースを契約した。そこで初めて契約金100万円を告知され、「高額で支払えない」という女性に対して担当者は「消費者金融で借りればいい」と、貸金業者の無人契約機まで連れて行き、学生では契約できないので社会人と偽って借りるように指南したという。

また20代の男子大学生は「約50万円のFX(外国為替証拠金取引)自動売買システムを購入すれば、何もしなくても稼げる」と勧誘され、学生ローンでの借り入れを指南されて支払ったという。国民生活センターの調査では、強引に契約を結ばせる手口に関する2020年度の相談は643件で10~20代が全体の70%を占め、20代は433件と突出している。

コロナ禍で経済の先行きが不透明な中、副業やデジタルコンテンツ習得への注目度は高まっており、その傾向を狙ったものと見られている。国民生活センターでは「もうかるから、借金は返せる、と言われても不確実な話で借金を返せる保証は、どこにもありません」と警鐘を鳴らしている。【大上悟】