小池百合子知事の3選出馬が焦点となっている東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)をめぐり、小池氏の対抗馬ともなり得る対立候補の擁立を目指す立憲民主党や共産党などの野党関係者、市民団体が1日、国会内で選定委員会の4回目会合を開いた。立民衆院議員の手塚仁雄・東京都連幹事長は会合後の取材に、具体名こそ明かさなかったが、自発的に出馬を希望している人物を含めて、候補者が「5人以内」に絞られてきたと明かした。

過去に意中の候補として浮上した人物について「(裏金問題などで)政治状況が変わってきている。あらためて接触してほしい」という要望が寄せられた人物がいたとして「3人の名前が出た。荒唐無稽な話ではない」と述べ、今後、出馬を打診していく考えを示した。

立民は先月の衆院3補選全勝の勢いを都知事選にもつなげたい構え。報道陣に非公開で行われた会合では、小池氏が応援した肝いり候補が東京都目黒区長選、東京15区補選と2週連続で敗れたことや、政治とカネの問題で岸田政権が追い込まれていることへの言及があり、「千載一遇の機会ではないか。有力候補をたてて都知事選を勝利し、政権交代につなげていこう」などのやりとりもあったという。

目黒区長選、東京15区補選の連敗で、小池氏の影響力に陰りが出ていると指摘されることについて、手塚氏は「(候補を推薦した)都民ファーストの会の候補の敗因が、小池さんの影響力の低下とは思っていない」としながらも「自民党政治に非常に厳しい風が吹く中、小池都知事も自分が応援する候補者を、これまでにないくらい力強く応援したにもかかわらず結果が伴っていないのは、政治全体への変化を求める声が胎動しているという感触を、みなさんがお持ちになっている」と述べた。

「(出馬しても)小池さん級では勝算がないと言っていた方が(出馬を)考えてくださるのではないかという思いを、私が託されたということだ」とも口にした。次回会合が予定される今月下旬ごろまで、候補者を絞り込む作業を続けるという。