将棋の最年少2冠、藤井聡太王位(棋聖=19)が豊島将之叡王(竜王=31)に挑戦している、第6期叡王戦5番勝負第4局が22日、名古屋市「名古屋東急ホテル」で行われ、先手の豊島が91手で藤井を破り、シリーズ成績を2勝2敗のタイに戻した。

第5局は9月13日、東京・将棋会館で行われる。藤井の最年少3冠達成は、最終局へ持ち越しとなった。

藤井の2勝1敗で迎えた大一番。先手の豊島が相掛かりを採用した。かど番の豊島は序盤に研究手を繰り出し、優勢を築く。藤井は工夫を重ねて防戦するが、徐々にリードを広げられ、最終盤はがっくりと前方に首を折り、うなだれるシーンも。終局後、藤井は「ちょっと早い段階でミスが出てしまって、勝負どころを作れなかったのは残念です」と悔しさをにじませた。 藤井が勝っていれば、羽生善治九段(50)が93年に達成した最年少3冠(22歳3カ月)を28年ぶりに更新し、最年少の19歳1カ月で自身最多の3タイトルを同時に保持し、史上初の「10代3冠」が誕生していた。 黒星を喫したが、豊島との「真夏の12番勝負」は続く。立場を入れ替え、豊島と進行中の王位戦7番勝負第5局は24、25日に徳島市「渭水苑」で行われる。3勝1敗と王手をかけている藤井は棋聖に続きダブルタイトル防衛を目指す。

最年少2冠を堅持し、叡王戦の9・13の最終決戦へ。「本局は完敗だったので、最終局は精いっぱい戦って、勝負どころを作れるように指せたらと思います」。10代最後の夏の戦いは続く。【松浦隆司】