自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に出馬しないことを表明していた菅義偉首相(72)は9日午後7時から首相官邸で記者会見した。電撃的に退陣表明した先週3日から6日ぶりに報道対応した。

質疑応答では、地元秋田魁新報の記者からも質問が飛んだ。この1年を問われた首相は「私自身は秋田県で生まれて政治の世界に入った。地方を元気にすることは日本を元気にすること。私の原点は『ふるさと納税』にある。地方から東京に出てくるには1000万円かかる。その後も東京に納税するわけですから」と答え、総務相時代に取り組んで政策によって地方経済を活性化させたことを自負した。

3日の会見はわずか約2分、一方的に退陣理由を語って会見を打ち切った。「新型コロナ対策と総裁選の選挙活動には莫大(ばくだい)なエネルギーが必要であり、両立できない。コロナ感染防止に専念したいと判断した。総裁選には出馬をしない」と述べた上で「来週にでも会見します」と述べて、報道陣の質問に一切答えることなく、きびすを返して立ち去った。