東京都の小池百合子知事(69)は9日、政府が緊急事態宣言を19都道府県で今月30日まで延長することを決定したことを受けて臨時会見を開き、都では現行措置を継続、延長すると発表した。

小池氏は「来週末からシルバーウイーク(18~26日)。暑さも和らいで行楽のシーズンでお彼岸もありますが、都県境を越える移動はなるべく控えていただきたい」。具体例も挙げ「食欲の秋はデリバリーやお取り寄せ、芸術の秋はオンライン鑑賞で」と呼び掛けた。

政府が示した、ワクチンを接種した人や、検査で陰性が確認された人など、他の人に感染させるリスクが低いことを示す「ワクチン・検査パッケージ」を活用した日常生活回復の考え方にも触れた。「緩和という言葉で、気が緩んではいけない。これまでの努力がもったいない、となってはいけない」とした上で、「飲食店だけでなく他の業種を含めて、経済をどうやって両立していくかということも必要。感染状況と医療提供体制などを参考にしながら、飲食店に関しては9万店を超えている認証店を対象にしていきたいとは考えている」と考えも明かした。

都ではこの日、新たに1675人が感染したことを発表。前週の同じ曜日を18日連続で下回り、直近1週間の平均新規感染者数は1837人で、7月28日(1955人)以来約1カ月半ぶりに2000人を下回った。「減少傾向を確実なものにしないといけない。医療非常事態を脱する分水嶺(れい)になっている意識の共有が必要」と気を引き締め直す重要性を強く発した。【鎌田直秀】