「将棋日本シリーズJTプロ公式戦(JT杯)」の2回戦、藤井聡太3冠(王位・叡王・棋聖=19)対千田翔太七段(27)戦が25日、都内で始まった。振り駒の結果、歩が4枚出て藤井が先手。いつものようにお茶を口に含んで先手2六歩、後手千田後手8四歩とお互いに飛車先の歩を突いてスタートした。

タイトルホルダーの藤井は1回戦シードのため、ここから登場となる。7月に棋聖、8月に王位を防衛した上、9月に叡王を奪取して19歳1カ月の史上最年少3冠となった。3年連続3回目の出場となる。

対する千田は初出場。1回戦で羽生善治九段(50)を破って進出してきた。

両者の対局は藤井の3勝1敗。17年のNHK杯、19年の王将戦1次予選と連勝後、3連覇を目指した20年2月の朝日杯準決勝で敗れた。同年4月の竜王戦3組準決勝では勝って、2組昇級を決めている。今回はベスト4進出がかかる。勝者は、糸谷哲郎八段(32)を下した永瀬拓矢王座(29)と11月3日の名古屋市の東海大会(予定)で対戦する。

この公式戦は前年度のJT杯覇者である豊島将之竜王(31)以下、タイトルホルダーと賞金ランキング上位者の計12人による勝ち抜き戦。コロナ禍で実現できていないが、本来なら地方を転戦してトップ棋士同士の対戦をすべて公開対局で行う。優勝賞金500万円、準優勝150万円。

持ち時間は10分、使い切ったら1手30秒未満。ただし、1分単位で合計5回の考慮時間がある早指し戦。