国立研究開発法人科学技術振興機構社会技術研究開発センターのホームページで掲載されている、トラウマについてのパンフレットには、複雑性PTSDについての記述がある。

このパンフレットでは、「トラウマとなるような体験(虐待など)が繰り返されると、複雑性PTSDになることがあります」と記述しており、複雑性PTSDになると、代表的なPTSD症状にくわえて、さらに別の症状が加わってくるとしている。

代表的なトラウマによる特徴的な症状(PTSD症状)は、

<1>再体験症状(トラウマとなった出来事を急に思い出す=フラッシュバック、悪夢を見る)

<2>回避症状(その出来事を思い出させるような場面、場所、人などを避ける)

<3>認知、気分の変化(楽しいと感じられない、否定的な考え、興味の喪失、孤立感)

<4>過覚醒症状(寝付けない、小さな音にびくっとする、警戒心が強い、注意・集中力がなくなる、怒りっぽくなる)

が上げられている。

 

さらに複雑性PTSDでは、

<1>感情コントロールの障害(例:感情が不安定)

<2>対人関係の障害(例:人とうまく付き合えない)

<3 >否定的自己認知(例:自分には価値がない)

が症状として加わってくるという。

 

また、複雑性PTSDの具体的に見られる行動については、以下のようなものをあげている。

・人を信用しない/疑い深い

・人と関わるのを嫌がる

・笑い(怒る)声や物音、臭いに敏感

・感情の波が大きい

・人の顔を覚えられない ・些細なことにこだわる

・自暴自棄的な行動/自傷行為

・すぐ爆発する

・物忘れが多い

・呆然としている

・好き嫌いが激しい

・急に怒り出す/固まってしまう/パニックになる