れいわ新選組の山本太郎代表が8日、次期衆院選(19日公示、31日投開票)に東京8区から出馬することを表明した。JR新宿駅新南口で街頭演説を行った山本氏は「東京8区、杉並(区)。石原家のご子息のおひざ元。東京でも最強と、言われる人」とジョーク交じりに発表した。同選挙区は自民党の石原伸晃元幹事長8期連続で当選。「民主党政権にとって代わられ、そのような選挙でも自民党にとって大逆風だった時にも余裕で勝利。盤石な方です」とマイクパフォーマンスで紹介した。

今回、立民と共産党は全国で立候補者の調整を進めている。山本氏は「立民、共産との話は終わっている。出馬できなくなった人には申し訳なく思う」と野党統一候補としての出馬を強調した。前回2017年の衆院選では、同区の両党候補の得票合計で、石原氏に約1100票差まで肉薄する計算になる。

前回2017年の衆院選では、6候補乱立の中で立憲民主党が公認した新人の吉田晴美氏が、石原氏に約2万3000票差に迫る健闘。吉田氏は同区総支部長として4年間活動を続けてきており、今月7日にもSNSで次期衆院選への強い意欲を表明している。共産党は上保匡勇氏が立候補予定者だ。山本氏と両党は調整中とみられるが、立憲民主党と共産党から正式発表はなく、ともに「まだ発表する段階ではない」。山本氏の突然の出馬表明により、吉田氏を4年間支えてきた支持者たちの困惑は必至で、野党共闘に波紋を投げかける恐れもある。

東京8区は11年3月の東日本大震災を期に政界転身した山本氏が、翌12年に初の国政選挙に初出馬した地。6万1000票以上の大差で石原氏に完敗したが、13年7月の参院選では東京都選挙区から出馬し、初当選した。野党共闘の調整がつけば、山本氏の10年越しのリベンジなるか、注目される。【大上悟】