将棋の藤井聡太3冠(19)が17日、都内で行われた「第8回国際将棋トーナメント・オンラインバージョン」の優勝者、張京鼎(ちょう・きょうてい)さん(台湾=16)との記念対局を行った。張さんは台北市の出身の高校生で、アマ四段。今回は角落ちで藤井3冠に挑んだ。

対する藤井3冠が、公式の場で外国人と将棋を指すのは初めて。過去には地元瀬戸市の将棋まつりでの指導対局、子ども大会のゲスト審査員といったイベント出演はある。今回は国際交流の場に初めて登場した。

対局は177手もの熱戦の末、藤井が勝利。「序盤からうまく攻めの形を作られた。こちらが気付いていない好手も出されて、実力を感じました」と舌を巻いた。最後にサプライズで「飛翔」と揮毫(きごう)された色紙が張さんに贈られた。トーナメントを観戦し、「思っていた以上にレベルが高い」とも語った。

終局後、会見に応じた藤井は国際普及のアイデアについて、「オンラインやインターネットで世界中の距離が縮まっていると思う。ネット対局や人工知能(AI)など、楽しんでいただける将棋の環境をより充実させていければ」とも語った。

これから、海外に対局や普及で出掛けるチャンスがあるかもしれない。「今は対局優先。語学はさっぱりなんですけど、機会があれば考えてみたい」と笑っていた。

国際将棋フォーラムは、日本将棋連盟が将棋の国際的な普及や発展、文化交流、国際親善などを目的として1999年(平11)から開始。過去3年ごとに開催していた。例年から昨年行う予定だったが、コロナ禍で延期されていた。トーナメントには米国、アジア・オセアニア、欧州・アフリカの各地区予選を勝ち抜いた16人が参加した。