自民党の菅義偉前首相(72)が衆院選(31日投開票)公示日の19日、地元・神奈川2区の3カ所で出陣式を行った。

菅氏は、最初に行った上永谷駅前での港南区出陣式で、北朝鮮が同日、弾道ミサイルを発射したことを引き合いに「立憲民主党の党首は政権交代の選挙と言ったが、私は不思議に思う。安全保障に関して立憲民主党、共産党には政策がない」などと批判した。同所では、菅氏が到着する前に真理子夫人(67)も選対関係者に促され、あいさつを行った。

続いて、横浜市営地下鉄弘明寺駅前に場所を移して行った南区出陣式では、官房長官時代から意欲を見せ続けた看板政策の1つの、携帯電話料金の引き下げに成功したことを強調。「携帯大手3社に競争して欲しかったが、競争するようになった。携帯を替えたら、かなり安くなったでしょう? うちの家内も、どこの会社かは申しませんが、8000いくらだったのが、3000いくらになった」と胸を張った。

続いて向かった、藤棚商店街で開いた西区出陣式では、再び野党の安全保障政策を批判。「共産党は日米安全保障条約は廃棄と言うが、北朝鮮からミサイルが飛んできて、国民を守ることが出来るのか? 自衛隊についても、憲法違反、解消と正式にうたっている。こうした人たちに日本を任せるわけにはいかない」などと訴えた。

3カ所の出陣式で共通して成果を強調したのが、首相として行ったコロナ政策だ。菅氏は「組閣して1年…短い時間でしたけども」と言いつつも「ワクチン接種を、1日100万回と断言してしまった。根拠がないなどと批判されたが結果として6月は1日平均100万回、7月は150万回、8月は120万回、9月は110万回。予想以上に早く行えた」と声を大にした。

また東京オリンピック(五輪)パラリンピックについても「いろいろなご意見があったが、招致した国の責任として水際対策を行えば行えると判断した。本当に開催して良かったと思っていますし、多くの方からお礼を言われたことを、初めて披露させて頂きます」と声を大にした。

一方で、野党が統一候補として立憲民主党の岡本英子氏(57)を立ててきたことには「9回目の選挙で、今回ほど危機感を持っていることはない」と警戒感を口にした。