▽精神科医、臨床心理士の姜昌勲(きょう・まさのり)医療法人きょう理事長の話

毅然(きぜん)と応答されていたように見えるが、複雑性PTSDは症状に波がある人もおり、会見からは眞子さんの症状がどの程度なのかは分からなかった。何がきっかけになって症状が出るかも分からないため、一問一答ではなく、文書で回答する方式にしたことは良かったと思う。

診断名は雅子さまや深田恭子のように、適応障害とするのが妥当なのかもしれない。複雑性PTSDと発表したのは、それだけ強いストレスにさらされ続けてきたことを強調したかったのではないかと思う。複雑性PTSDは概念は昔からあるが、正式な診断名ではなく、来年発効する世界保健機関(WHO)の「ICD11」(国際疾病分類第11版)に診断基準としてようやく入った段階だ。

ストレス要因となる、いわれのない記事やコメントをいやが応でも目にする環境から離れたところに身を置くことが必要で、ニューヨークで生活し、環境を変えることはすごくいいことだ。ヤフーニュースは書き込みが殺到した25日夜、コメント欄が自動的に非表示になった。ヤフコメやSNSでの匿名の誹謗(ひぼう)中傷は眞子さんにとって外傷体験(トラウマ)になるだけに重要な対応だった。