正月恒例の福袋商戦が始まった。東京・銀座と浅草で都内で百貨店を運営する「松屋」は28日、都内で2022年の招福袋の発表会を行った。

今回のテーマは「希望の懸け橋(かけはし)」。今年はコロナ禍でのお正月となり外出自粛が続いたが、ワクチン接種が浸透して、来年は明るい兆しも見え始めていると判断した。昨年重点を置いたステイホームの内向き需要だけではなく、外向きのリベンジ消費に対応した商品も合わせ、約2万個を用意した。

松屋銀座のお出かけパターンの目玉として、「俺たちの銀ブラ福袋」(限定5袋、5万5000円=10万円相当)を用意。松屋銀座の若手社員が利用する理容店のコース予約券、バーのペアチケット、レストランの特別コースペア食事券などをセットにした。「今こそ不要不急の銀ブラを満喫してもらおう」との思いを込めた。

おうち時間を充実させるものとしては、サウナを自宅で楽しめる「サウナでととのう 福袋」(限定3袋、50万6000円=70万円相当)が登場した。流行中の「サ活」に注目した。

このほか、「松屋浅草90周年 浅草お楽しみ袋」が松屋浅草では販売される。同店は今年11月1日で開店90周年を迎える。店舗のある東武浅草の駅も1931年(昭6)5月開業とくしくも同じ90周年。人力車による30分の周遊、東武鉄道の記念ノベルティーなど、浅草の魅力をいっぱい詰めた。「昼浅草」(限定30袋、1万4300円=1万7000円相当)と、「夜浅草」(限定5袋、2万2000円=3万5000円相当)と2種類ある。いずれも昨年は手控えていた「コト消費」の体験型要素を見直して、商品化している。

今回から初めて松屋ではオンラインで福袋を売り出す。西暦を価格にした目玉商品や、干支(えと)にちなんだ福袋も控えめにした。これは、密を回避して分散させるためだ。

販売方法としてオンラインは11月17日から、年内の店頭販売は12月26日から開始。年始は1月2、3日となる。「第6波も想定しなければいけないし、まだまだ予断を許さない状況ではあるが、明るい話題を提供していきたい」と、松屋では話していた。