将棋の史上最年少4冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が、16日午前10時から始まった第80期順位戦B級1組リーグ戦で、松尾歩八段(41)と対戦した。13日に竜王を初めて獲得し、4冠として臨む最初の一戦は午後10時17分、89手で勝ち、白星で飾った。

同組在籍連続13年、敗れた「B1の番人」こと松尾は、「1手1手、手探りで指しているような感じでした。後手5五銀(夕食休憩前の52手目)で局面が動いて難しいかなと思っていました。その後に自分が読めていない、見落としている先手5三桂成(61手目)をうっかりして、ちょっと差がついてしまった」と残念がった。

あとは引き離される一方。通常なら日付が変わる前後に終わることが多い順位戦で、脱いでいたスーツを羽織り、居住まいを正して早めの投了となった。「余りにもお粗末な将棋だったという感じがしています」と悔しさをかみしめていた。