真多呂人形(本社・東京都台東区)が25日、東京・上野「精養軒」で年末恒例となった人形で世相を振り返る「真多呂変わり雛」の今年の6作品を披露した。作品発表は翌年表記になるため、今回発表されたのは2022年作品となる。1946年(昭21)から途切れることなく続き今回で77回目。

発表された6作品は、新型コロナウイルス対策のワクチン注射を打つ女医と男性患者「ワクチン狂騒曲雛」、エンゼルスの二刀流大谷翔平と熱烈ファンの女性「投げた!打った!ショータイム雛」、上野動物園で誕生した双子パンダのレイレイとシャオシャオ「双子の赤ちゃん誕生雛」、東京五輪の新競技スケートボードで金メダルを獲得した堀米雄斗と“13歳、真夏の大冒険”西矢椛「スケボーブーム雛」、ゴルフ界ではマスターズを制した松山英樹と全米女子オープン覇者笹生優花「男女メジャー制覇雛」、90歳でノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏と妻信子さんの「明日の地球のお天気は?雛」。

特に大谷に関しては、担当した人形師が「いつもの人形よりも足を長めにして、表情は精悍(せいかん)さの中に優しさを含ませてた」とこだわりをもって取り組んだ。投打の二刀流を表現するため左手にはバット、右手にはボールを握っているが決め球のスプリットの握りを再現している。

作成期間は各人形ともに約1カ月で、作品は非売品。6作品は、12月1日から来年3月3日(12月27日~1月2日を除く)、真多呂本社内の真多呂人形会館で無料で公開される。