2021年の世相を1字で表す「今年の漢字」が「金」に決まり、日本漢字能力検定協会が13日、京都市東山区の清水寺で発表した。

オリンピック(五輪)イヤーの「今年の漢字」は、やはり「金」で落ち着いた。「清水の舞台」で知られる京都市東山区の清水寺で、森清範貫主(かんす)が縦1・5メートル、横1・3メートルの和紙に特大の筆で揮毫(きごう)。東京五輪・パラリンピックで日本人選手が多数の金メダルを獲得したことなどが理由に挙げられた。

今年の漢字は27回目。協会のウェブサイトなどで募集し、最も応募の多かった字を選ぶ。協会によると、応募総数は22万3773票で、金は1万422票(4・66%)だった。

米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手や将棋の藤井聡太4冠の活躍で「金字塔」が打ち立てられたとする理由や、新型コロナウイルスに絡む「給付金」などを挙げる声もあった。金が選ばれるのは、リオデジャネイロ五輪が開催された16年以来の4回目。

2位は、1位と同じく五輪に絡む「輪」。3位は「楽」で、行事などが再開し、楽しみを見つけられたという意見が集まった。4位は「変」(新型コロナの変異株)、5位は「新」(新しい生活様式、新首相就任)だった。

森貫主は記者団の取材に「来年も輝かしい1年であるように努力していきたい」と話した。

昨年は、新型コロナの感染拡大で「3密」を避ける行動が広がったことなどから「密」が選ばれた。