第40期女流本因坊戦で星合志保三段(24)に3連勝して初防衛した、藤沢里菜女流本因坊(23)の就位式が14日、都内のホテルで行われた。

過去2014年(平26)の第33期、16年第35期、18年第37期と挑戦者として奪取しながら、次の期に防衛に失敗。昨年奪取し、今回初めて防衛した。「女流本因坊戦は防衛できないというジンクスを解くことができてよかった」と、謝辞で祝福に訪れた参加者を笑わせた。

式には、将棋の女流棋士である里見香奈女流5冠(29)が花束贈呈に訪れた。初のプレゼンターに緊張していた里見とは、昨年囲碁の週刊誌「週刊碁」の対談で知り合った。今年9月、里見が防衛した女流王位の表彰式で花束贈呈に藤沢が訪れ、今回は贈られる側となった。「今でも里見さんがタイトルを取るたびにうれしく思い、励みになります」と話した。囲碁と将棋の女流トップ棋士同士のやりとりに、多くの参加者も喜んでいた。

藤沢は9日、許家元十段(24)への挑戦権を争う第60期十段戦本戦でベスト8まで勝ち進んだ。今や男性棋士と実力差はない。女流棋戦でも女流名人戦と女流立葵杯の3番勝負でいずれも連勝、一発勝負の扇興杯女流最強戦にも勝った。女流本因坊戦3連勝も含め、登場したタイトル戦は全勝で21年を終えた。「内容的に満足してはいません。女流棋戦、一般棋戦はもちろん、世界棋戦でも勉強して頑張りたい。実力を伸ばすため、布石の研究したい」と意欲的だった。