大阪府の吉村洋文知事(46)が28日、府庁で年内最後の取材に応じ、1年を振り返った。日本維新の会の副代表の吉村氏は、10月の衆院選では「選挙の顔」として全国を回り、旋風を巻き起こした。維新は公示前の11議席から4倍近くの41議席に増やし、第3党に躍進した。

大幅増にも「少し数が増えたからと言っていい気になってはいけない」と表情を引き締め、「まだ10年くらいの政党。支持基盤も持たない、いつ消滅してもおかしくない政党」と強い危機感を示した。

衆院選後、初の臨時国会では、「身を切る改革」の文書通信交通滞在費の問題などで存在感を示したが、これまで国政では目立った実績は残せていない。「議員も我々も日々の改革を積み重ね、立場に甘んじることのないように理想を追求していく必要がある」と強調した。

来年の夏には参院選が控える。大阪ローカル政党ではなく「全国区」に支持を広げることができるか。目玉政策を打ち出せるかも課題だ。「永田町のにおいがしない政治が重要だと思う。永田町臭がプンプンしたら、期待はしぼんでいく」。全国政党を目指し、改革路線で支持拡大を狙う。【松浦隆司】