立憲民主党の小川淳也政調会長(50)が28日、日刊スポーツのインタビューに応じ、激動の1年と党再建の責務を負う来年への意気込みを語った。10月の衆院総選挙で議席減で引責辞任した枝野幸男前代表の執行体制を引き継いだ。来年7月に迫った参院選へ向け、映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で知名度を上げた熱血漢が党勢復活への難局に臨む。

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10月衆院選は共産党らとの野党共闘で政権交代を掲げたが、敗れた。平野博文代表代行、辻元清美副代表が落選。小沢一郎氏(当選17回)、中村喜四郎氏(当選14回)らも選挙区で敗北し、比例復活で議席を死守したが、改選前の110議席から96議席に減らし、枝野前代表は辞任に追い込まれた。

小川氏 反対ばかりして、任せようという気にならないと地元でも言われた。政権の受け皿としては認知してもらえなかった。厳しい結果だった。

泉健太氏が新代表となり、代表選に出馬した西村智奈美氏が幹事長、逢坂誠二氏が代表代行で、小川氏が政調会長。党内融和を優先した新執行体制で、来年7月の参院選へ臨むが、他党は着々と公認候補者の擁立を発表している。

小川氏 代表選と新執行部の立ち上げをやっているので、最初の1歩がどうしても、遅れている。出遅れている可能性はある。

参院選1人区での野党共闘については執行部4人で一致しているという。

小川氏 代表選の期間中に4人で一致していたのは1人区では一本化が必須。野党共闘にもいろんな意味が含まれている。選挙区調整は大いに必要。

泉代表が「兄弟政党」と位置づける国民民主党は衆院選後に日本維新の会と急接近。東京都知事の小池百合子氏が特別顧問を務め、参院選で候補者擁立を宣言している「ファーストの会」も国民民主党と勉強会を開催するなど第3極をにらんだ動きを加速させる。一方で立憲は維新とは距離感がある。

小川氏 すり寄ったり、おもねたりする必要はない。野党第1党として360度外交をしなければいけない。対話の門戸を閉じる必要はない。

来年7月の参院選まで、時間が刻一刻と迫る中で結果が求められる。

小川氏 過酷ですよ。短期決戦、スピード勝負になる。ゴールポストが動くことはないので。そこまでにやれることは何なのか。どうやってやり切るのか。

波乱の1年から新年への思いを込めた1文字は「歩」。

小川氏 跳躍、飛躍しなきゃいけない、という使命感とか責任感とか、なくはない。跳びたい衝動を抑えて実直に今まで歩いてきたし。地に足をつけて。跳ぶと書きたい気持ちを抑えて、歩く。【聞き手・大上悟】

◆小川淳也(おがわ・じゅんや) 1971年(昭46)4月18日、香川・高松市生まれ。東京大学法学部卒。自治省(現総務省)などを経て、03年衆院選に民主党から初出馬も落選。05年衆院選は小選挙区は落選したが、比例復活で初当選した。鳩山、菅内閣で総務政務官。民進党から希望の党、無所属を経て、旧立民入り。10月衆院選は香川1区で平井卓也前デジタル相を破り、当選6回。高校時代は野球部で内野手。家族は夫人と2女。