将棋の羽生善治九段(51)が4日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第80期A級順位戦8回戦で、永瀬拓矢王座(29)に敗れた。これでリーグ成績が2勝6敗となり、最終9回戦を待たず1クラス下のB級1組への降級が決まった。名人獲得9期も含め、1993年(平5)より29期連続で在籍してきた、名人戦挑戦者を争うトップのA級から陥落する。A級在位連続29期は中原誠十六世名人(引退、名人15期含む)と並び、連続記録で歴代4位タイ、通算在位同5位タイ(トップは、名人18期獲得も含めて44期連続在籍の大山康晴十五世名人)。

羽生は前期、前々期ともに4勝5敗。今期も苦戦を強いられていた。「内容も結果も伴わなかった。致し方ない結果」と話した。

22年春から約1年間、B級1組で戦い、上位2人に入れば23年春からA級に復帰できる。羽生がB級1組からA級に上がった93年の第52期は、一緒に加藤一二三・九段が53歳でA級に復帰した。年齢的にもまだまだ返り咲きは可能だ。

トップを走る斎藤慎太郎八段(28)は最終局を待たず、2年連続2回目の挑戦権を獲得した。【赤塚辰浩】