囲碁の第69期王座戦を制した井山裕太王座(棋聖・名人・本因坊・碁聖=32)の就位式が14日、都内のホテルで行われた。

昨年12月まで行われていた5番勝負で芝野虎丸王座(当時=22)を3勝2敗で下し、約2年7カ月ぶりに5冠へと返り咲いた。「芝野王座は成長著しく、自分にない発想を見せられて得る物も多かった。非常に充実した内容で結果を出せてうれしく思います。厳しい戦いの連続ですが、自分なりに精いっぱい前を向いて、一歩一歩進んで行ければと思います。次回は節目の70期。自分を高めて向かっていきたいです」と謝辞を述べた。

同じ5冠でも12日には将棋界で藤井聡太竜王が19歳6カ月の史上最年少で達成した。このことにも触れ、「世間の注目を集めている存在」と評した。

自身が19歳6カ月だったころはちょうど、名人戦7番勝負に初めて挑戦し、時の張栩(ちょう・う)名人に3勝4敗に終わった。「私はタイトルを取れなかった。藤井さんはタイトル戦での他を寄せ付けない強さがすごい。勝ちっぷりが驚異的」とも話していた。【赤塚辰浩】