ウクライナに武力侵攻をするロシアに対して、日本在住のウクライナ人が27日午後、東京・JR渋谷駅前のハチ公広場で抗議するデモを連日実施した。

デモ会場に訪れたウクライナ人のヤロスラブ・ザバツオさん(36)は首都キエフから西に約350キロのリウネの出身だが、その故郷にもミサイルが着弾していると話し「いてもたってもいられず多くの人が集まっていると聞いて渋谷にきた」とつぶやいた。2年前に結婚した妻阿部奈津子さん(35)は「彼のいとこが市民アーミーに所属していて、ときどきいとこからの連絡も途絶えたりして『オレも戦いにいく』といってきかない。なんとか止めているんですが」と震えた声で語った。

ロシアのウクライナへの武力紛争に関するビラを配布していたウクライナ人女性ナタリアさんは日本在住16年目で「私の故郷はキエフから西に200キロのチェルカシーですが、兄はキエフにいる。とても心配です。日本のみなさんは話を聞いてくれて優しい。なんとか戦いをやめてほしい」と道行く人にビラを配り続けていた。

デモに集まった群衆に向けてマイクを握った中にはウクライナ人と仕事場で同僚というロシア人女性も参加し「心を痛めています。ロシア人もこのような争いは求めていない」と声を詰まらせながら心情を吐露した。渋谷では約450人(主催者発表)が平和を訴えた。新宿でも100人以上が集まって声を上げた。【寺沢卓】

○…都内の在日ロシア大使館前は約10台の警察車両が道路前に並び、200人前後の警察官が周辺に配置され厳重に警備していた。都内各所で行われているデモ活動などはなく、大使館正門前の道路では警察官が「すべての方にお願いしております」とことわりを入れて身分照会を求めていた。大使館内にはときおりアルファベットのナンバーの車が出入りするだけで、門は閉ざされたままだった。