日本のカヌーイストの第一人者で作家でもある野田知佑(のだ・ともすけ)さんが27日、84歳で亡くなったことが30日、分かった。野田氏が連載していたアウトドア月刊誌「BE-PAL(ビーパル)」(小学館)の公式サイトで、事務所名義の文書で公表された。

同サイトでは「野田知佑が2022年3月27日、永眠いたしました。84歳でした。なお、葬儀は、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、親族のみで執り行いました。これまでご愛読、応援いただいた読者の皆様、お世話になりました関係者の皆様に深く感謝申し上げます。野田事務所」とつづられた。

小学館と「BE-PAL」編集部名義でも「野田知佑氏には『BE-PAL』の創刊直後より38年にわたり、雑誌の看板となる紀行エッセイ『のんびり行こうぜ』を連載していただきました。日本のカヌーイストの第一人者として野田氏は数多くの著書を執筆し、カヌーや川遊びを世に広め、環境問題に一石を投じ、日本のアウトドア業界を牽引されました。生前のご功績に対する心からの敬意、感謝とともに、編集部一同、謹んで哀悼の意を表します」とのコメントが掲載された。

野田さんは1938年(昭13)1月2日生まれ。熊本県出身。早大第一文学部英文学科卒業。大学では漕艇部に所属。1982年「日本の川を旅する」で日本ノンフィクション賞新人賞を受賞。カヌーや川関連の著書多数。カヌー犬のガクを取り上げた90年の映画「ガクの冒険」やテレビにも多く出演し、日清食品「チキンラーメン」のCMにもガクと出演した。