アミメニシキヘビ捕獲にも貢献した日本爬虫(はちゅう)類両生類協会の白輪剛史理事長(53)が4日、園長を務める体感型動物園iZoo(静岡県河津町)でのウクライナ動物関連同業者の避難民受け入れに手を挙げていることが分かった。

キーウ(キエフ)市内で動物商として輸出入や繁殖などを手掛ける知人ドミトリーさんとSNSで連絡を取り合っており、「まだ大丈夫と言っていますが、本当に困った時には受け入れる準備があることを伝えています」。寒さが厳しいウクライナだけに動物管理には温度調節が必要不可欠。今後、停電となれば動物も生死に直結してしまう。「人がたくさん亡くなっているので重要度から考えれば低いかもしれないけれど、動物を生業としている立場としては動物の運命も大きな関心事」。動物被害も心配した。

日本の動物界にも影響はあると言う。「ウクライナは他国から動物を輸入して再輸出したり、繁殖させたりしている。特に野生の宝庫マダガスカル共和国の動物を担っている」。同国固有種のキツネザル繁殖大国であり、ロシアの侵攻がさらに長期化すれば「(ワシントン条約の規制により)日本には持ち込めないけれど世界の動物園向けとしては半減する」と懸念を抱いた。マダガスカル原産の爬虫類もカメレオン最大種のパーソンカメレオンやパンサーカメレオン、ホウシャガメ、ヒルヤモリなど、シェアは高くはないが日本もウクライナから輸入している。「国の復興、経済発展がどうなるかも分からない。爬虫類もファームが壊滅したら影響が出てくる」。一刻も早い停戦を願った。【鎌田直秀】