ロシアへの経済制裁策の1つとして、政府が「ウオッカの禁輸措置」を導入することを受け、ロシア産のウオッカを扱う飲食店や小売店からは9日、不安の声が上がった。

東京都目黒区のロシア料理店の店主は「店の在庫がなくなれば、リトアニアなどの国から(ロシア銘柄の)ウオッカを輸入するつもりです」と語った。その上で「店に並ぶ種類が減るかもしれないので、お客さんに楽しんでもらえなくなる」と不安げな表情を浮かべた。ロシアの酒を専門にネット販売する「ヴォードチカ」の店主遠藤洋子さんによると、日本にあるロシア産のウオッカの在庫は数カ月分程度。店ではロシア産のウオッカ15種類をそろえるが「欠品が出たり、値段を上げる可能性がある」。禁輸措置が続いた場合は「仕入れることができるのか、先行きが不透明で注目が必要です」と指摘した。

遠藤さんは日本にウオッカを広めるため「日本ウオッカ協会」を18年に設立。設立当初は、会員とウオッカの試飲会などを年に数回開いていたが、新型コロナ禍を迎え、中止していた。今年は再開を検討していたというが、ロシアとウクライナの情勢を考慮して再び延期を決めた。遠藤さんは「自分の商売よりも、これまで通りの平和を願っております」と話した。