日本維新の会は28日、夏の参院選比例代表に、歌手で俳優の中条きよし氏(76)を公認候補予定者として擁立することを発表した。

中条氏は「命あるかぎり、高齢者のみなさんのために、国のために命をかけられる。人生100年時代というけれど、俺の歳でも25年は生きなくちゃいけない。どうやって生きるんだろう。年金だけでみなさん生活ができるのか」などと高齢化や年金政策に意欲を示した。

日本維新の会のミニパンフレットには、中条氏のヒット曲「うそ」から「うそを言わない政治」をキャッチコピーに引用した。中条氏は「国民の代弁者」として、レギュラー出演した時代劇「新・必殺仕事人」のフレーズから「国民の恨み晴らします」も引用した。

また憲法改正に関して「変えるべきものは変えなきゃいけない。(戦後)77年になる。9条は個人の気持ちとしては変わらなくちゃ、おかしいことだろう」と持論を述べた。

維新の会では参院選の比例票獲得で野党第1党の立憲民主党を上回ることを目標に掲げている。馬場伸幸共同代表は「知名度はトップクラス。比例票に影響を与えることは間違いない」と中条氏の集票力に期待を込めた。

◆中条きよし 1946年3月4日、岐阜・岐阜市出身。74年に演歌「うそ」がレコード売り上げ150万枚以上のヒットを記録した。81年に時代劇の必殺シリーズ「新・必殺仕事人」に三味線屋・勇次役でレギュラー出演し、三味線の糸を駆使するニヒルな殺し屋として人気を集めた。