自民党の菅義偉前首相（73）が7日、都内で昨夏の「東京2020」を舞台にしたノンフィクション映画「東京2020オリンピックSIDE：A」（全国公開中）を観賞後、河瀬直美監督（53）と対談した。

菅氏は「オリンピック、パラリンピックは、する、しないで悩み、苦労しましたので、思い出しました。呪われている感じがあるくらい、いろいろなことが続いた」と苦笑い。映画に関しては「金メダルをとって国民が喜ぶ映画なのかなと思っていましたが、全然違った。人間の生きざま、選手の心の行き来が描かれている」と感想を述べた。

河瀬監督からは五輪当時の菅氏の様子を「魂を持っていっていかれているのかなというくらい無表情だった」と言われると、「国の責任を果たすために、一番大変な時期だった」と感慨深げ。「話がうまくないと言われてしましたが…？」との問いには「うまくないというより、無駄なことは話さないようにしている」と応戦した。「もっと人気者になりたいとかありますか？」と親密ゆえに突っ込まれると「あまりないですね」と即答し、笑顔を浮かべる場面もあった。

コロナ禍の中、もがき苦しみながら開催した祭典の裏側を記録した「東京2020オリンピックSIDE：B」は、6月24日に全国公開される。【鎌田直秀】