千葉県松戸市の神社の神木に「わら人形」をクギで打ち付けたとして、千葉県警松戸東署は15日、建造物侵入と器物損壊の疑いで、同市、自称無職の日野充信容疑者(72)を逮捕した。逮捕容疑は5月19日午後2時10分ごろ、松戸市の三日月神社に侵入し、クギでわら人形を打ちつけて2カ所に穴を開けた疑い。署によると、日野容疑者は黙秘を続けている。

5月中旬以降に、市内10カ所以上の神社で同様の被害が相次いだ。わら人形の頭部にはロシアのプーチン大統領の顔写真が貼られ、中には額部分に「凶」の文字が書かれているものも。胴体部には生年月日や「抹殺祈願」などと書かれた紙も挟まっていた。

署は、人形の形態や筆跡などが似ていることから、同一犯の可能性があるとみている。捜査関係者は「何か信念を持っていないと出来ない行為。高齢の容疑者なので、ゆっくり対処したい」。今後は指紋の照合なども含めて、裏付け捜査を進める。

先月24日に三日月神社が境内の防犯カメラ映像を警察に提供。わら人形のようなものをカバンに入れた容疑者とみられる男が映っていた。署が他の場所の複数の映像も踏まえ、特定した。同神社の関係者は「逮捕につながってホッとした」。被害を受けた金ケ作熊野神社の神主高橋丈夫さんも「(容疑者が)またやることも考えられたので良かった。まねしないでもらいたいです」と話した。

容疑者の自宅周辺住民は「以前あいさつした時には気さくに話をした。そんなことを起こすようには思えない人」と驚きの表情だった。【鎌田直秀、沢田直人】