立憲民主党前代表の枝野幸男氏(58)が18日、都内で党幹部経験のある参院選2候補の応援演説に駆けつけた。

二子玉川駅前で東京選挙区に出馬予定の蓮舫氏(54)、阿佐ケ谷駅前では全国比例区の辻元清美氏(62)も合流。蓮舫氏と辻元氏はこれまでの選挙では候補者応援で全国を駆け巡っていた立場だっただけに、選挙演説での3人そろい踏みは初めてだ。

聴衆に若者の姿が目立ったこともあってか、枝野氏は参院選特有の比例区投票方法が政党名でなく個人名でも良いルールに触れ、「参議院選挙は(選挙区、比例区)2枚とも個人名で良いんですからね。(1枚目)蓮舫さん(2枚目)辻元さん、この順番を覚えて帰ってください」と念を押して呼び掛けた。

演説では野党の力の重要さを強調した。政党1強体制のロシアや中国を引き合いに出し「ロシアや中国みたいになっていいんですか?」と問いかけた。「残念ながら、野党だったはずじゃないの? という政党が、どんどんどんどん権力にすり寄っていっていく。口を開けば立憲民主党の悪口を言っている大阪の政党もある」。自民党に対してだけでなく、22年度予算に賛成した国民民主党や日本維新の会などへの不信感も、声を大にした。

4期目を狙う蓮舫氏は「18年前に最初の挑戦をした際の初々しさはもうなくなりましたけれど、私は10人の総理と向き合ってきた。皆様の声を形に、思いを代弁する。この経験を皆様に必要としてもらいたい思いで、この夏も挑戦する予定です」とあいさつした。岸田首相に対しては「(就任時に宣言していた)『聞く力』が、いまや、聞き流す力になりました。『分配』は言わなくなりました」と批判。21日に岸田内閣がようやく物価高打開策の会議を初開催することにも「遅すぎませんか? 私たちは3月からずっと言ってまいりましたが、聞く耳をもってもらえなかった」と、聴衆の同意も求めた。

演説後は3人ともに、グータッチや記念撮影に応じて、有権者らと交流。蓮舫氏、辻元氏ともに若い世代から写真撮影を求められる場面も多かった。

 

東京選挙区には蓮舫氏のほか公明党の竹谷とし子氏、共産党の山添拓氏、自民党の朝日健太郎氏の現職に、自民公認でアイドルグループ「おニャン子クラブ」の元メンバーで新人の生稲晃子氏、ファーストの会の荒木千陽代表、日本維新の会の新人海老沢由紀氏、れいわ新選組の山本太郎代表、無所属の乙武洋匡氏らが立候補を予定している。

【鎌田直秀】