自民党の安倍晋三元首相(67)が8日午前、奈良市内で参院選の応援演説をしていた際に、男から襲われた。

岸田文雄首相(64)はこの日、安倍氏銃撃の一報を受けて、参院選の遊説を行う予定だった山形県からヘリコプターで帰京し、官邸で報道陣の取材に応じた。冒頭で、涙目で声を震わせ「まず、本日、お昼前ですが奈良県において安倍晋三元総理が銃撃され現在、深刻な状況にあると聞いております。今、懸命の救急措置が行われていると承知しております。まず何とか一命を取り留めていただくよう心から願っております」と安倍氏の現状を説明した。

その上で「(事件の)背景につきましては、まだ突き止められておりませんが、民主主義の根幹の選挙が行われている中で起きた卑劣な蛮行であり、決して許すことは出来ないと思っております。最大限の厳しい言葉で非難致します」と語気を強めた。その上で「政府としては、今後、あらゆる事態を想定し、対応できるよう、万全の対応をしたいと思っています」と口にした。

岸田首相は、今後の政局について聞かれると「今、緊急の救命措置が行われている最中ですので、今後の政局に対する影響は触れるべきではありませんし、私もそう言うことは考えておりません。現実の厳しい状況において救命救急措置が行われている。万全の体制を作るのが最善だと思う」と語った。閣僚を集めての今後の対応については「今後ですが、この後、閣僚を全て帰京させたいと思います。集めて、今回の事態について政府としての対応を共有する。今後の選挙等の日程においては決まっておりません。しっかり把握した上で対応したい。まず、実態を、しっかり把握した上で、役割があるものですから、しっかり責任を果たしてもらわなければいけない。政府として、あらゆる事態に備えられるよう、対応をしたい」と説明した。

総理経験者が倒れる、あってはならない事態では? と聞かれると「今回の犯行について犯人像、背景は十分に把握できているとは思っていません。今後、警察の捜査を、しっかり確認しなければいけない。社会の風潮が変わったのではないか? という質問がありましたが確認されていない段階で触れるのは控えたい。しっかりと確認するのが重要」とだけ語った。

安倍氏の、遊説の際の警備体制が万全だったかと聞かれると「警備については最善をしていたと信じたいが、しっかり事態を確認することも大事だと思っています」と語った。