安倍晋三元首相が参院選の遊説中に奈良市で銃撃されて死去した事件から一夜明けた9日、午後1時35分、安倍氏の遺体を乗せたとみられる車両が東京都渋谷区の自宅に入った。霊きゅう車の助手席には昭恵夫人が乗車していた。自民党の高市早苗政調会長、福田達夫総務会長らが出迎えた。午後1時50分ごろには、岸田文雄首相も訪れ、約10分間滞在した。

車両は、この日早朝、司法解剖が行われた奈良県橿原市の奈良県立医科大病院を出発していた。

自宅前には海外メディアを含む多くの報道陣が集まった。規制線が張られ、数十人の警察とSPが厳戒態勢を敷いた。供花や供物を持って訪れる人がいたが、警察が献花台を設けていないことを説明。自宅を訪れた人たちはその場で手を合わせ、引き返していた。

東京都府中市から来たという50代の女性は「(ニュースを見て)すごい悲しかった」と目には涙を浮かべていた。30代の中国人男性は「安倍さんが好きだったから、昨日は眠れなかった。なんで殺されたのかわからない」と話した。

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