18日間の選挙戦最終日は安倍晋三元首相が銃撃され死亡する事態から一夜明けて、元首相で立憲民主党最高顧問の野田佳彦衆院議員(65)が警備上の問題から予定していた応援演説を中止した。

野田氏は正午から東京・銀座4丁目で、東京選挙区(改選数6)の蓮舫氏の応援演説を行う予定だった。安倍元首相の事件を受けて警備体制を強化してで臨む計画だったが、銀座の中心で混雑も予想され「野田元総理にはSPがついていない。野田元総理や所轄署とも相談し、スタッフの安全面や心理的なことも含めて総合的に判断した。難しい判断でした」と選対本部長の手塚仁雄衆院議員は説明した。

蓮舫氏は最後の訴えを午後7時から自由が丘駅前のみで行った。蓮舫氏の周囲は私服警察官、スタッフらが固め、安倍氏が銃撃された背後は街宣車を横付けしてガードした。物々しい雰囲気の中で蓮舫氏は「18年間で10人の総理大臣と向き合って来ました。最も多く、予算委員会で論戦を交わしたのは安倍元総理でした」と振り返った。その上で「もう安倍さんと議論でできないのは非常に悔しいです。残念です」などと哀悼の意を表した。【大上悟】