8日に奈良市内での参院選の街頭演説中に銃撃され、67歳で亡くなった、安倍晋三元首相の家族葬の通夜が11日、東京・港区の増上寺で営まれた。各所に警察官が配備され厳重な警備体制が敷かれ、一般の通行者の写真撮影も禁じられた。

参列した男性は祭壇について「安倍さんのにこやかな大きな遺影が飾られていました」と語った。昭恵夫人については「少しだけお目にかかりました。やはり憔悴(しょうすい)しておられました」と明かした。

通夜には、河野太郎広報本部長、甘利明元幹事長や参院選東京選挙区で当選した朝日健太郎氏ら、自民党の議員が弔問に訪れた。スポーツ界から元貴乃花親方の花田光司氏が参列した。

また、01年の参院選に自民党から比例区で出馬して当選し、06年9月に発足した第1次安倍内閣時代に親交があった、プロレスラーの大仁田厚も訪れた。大仁田は「僕は総理になられた時に、現役(国会議員)だったので、お世話になったものですから」と絞り出すように口にした。祭壇に何を語ったか聞かれると「(遺影は)すごく、良い写真でした。僕も頑張っていきますんで、総理も、ご冥福をお祈りします、と」と言い、声を詰まらせた。【村上幸将】