第167回芥川賞・直木賞の選考会が20日、都内で開かれ、芥川賞に高瀬隼子(じゅんこ)さん(34)の「おいしいごはんが食べられますように」(群像1月号)、直木賞に窪美澄さん(56)の「夜に星を放つ」(文芸春秋)が選ばれた。

今回、芥川賞は1935年に創設されて以来、初めて候補作5作がすべて女性の作品となり、話題を集めていた。記者からの質問に選考委員の川上弘美さんは「(選考会で)話題になることは全然なかったです。女性、男性とひと言で言っちゃうのが小説的じゃない」とピシャリ。小説家になるのが子どものころからの夢だったという高瀬さんは「頑張れという意味だと思うので、頑張り続けたいです」と話した。

直木賞も5作品中4作品が女性の作品。窪さんの作品は候補作で唯一の短編集で、選考委員の林真理子さんは「コロナから逃げていない」と高く評価した。