藤井聡太王位(竜王・叡王・王将・棋聖=20)が豊島将之九段(32)の挑戦を2年連続で受ける、将棋の「お~いお茶杯第63期王位戦7番勝負第3局」(神戸市「中の坊瑞苑」)は21日午後5時39分、後手の藤井が84手で豊島を下し、対戦成績を2勝1敗とした。20日午前9時からの2日制で同所で始まった対局は、攻め合いを制してリードを奪って藤井が一気に押し切って、20代初戦を白星で飾った。

敗れた豊島は首をかしげながら、「どこでまずくなったのか分かりません。仕掛けの応対がまずかったのか、先手6三歩成(57手目)に別の手があったのか。序盤は互角に近い形と思いました」と話した。「封じ手の先手3八飛ではまずいと思っていませんでした。その後もいけるつもりでやっていたんですけど、考えているうちに自信がなくなりました」と振り返った。昼食休憩を挟んで、今局最長となる183分を考えた末に指した先手5三角成についても、「成らないとしょうがない」とした。

第4局(8月15、16日、佐賀県嬉野市「和多屋別荘」)まで、少し間隔が開く。昨年は大雨で訪れることができず、大阪市「関西将棋会館」に場所が変更された。1年越しで実現した対局だ。追いつくのと、かど番に追い込まれるのとではかなり違う。「しっかり準備して頑張りたいと思います」。