米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が20日、健康不安がうわさされるロシアのプーチン大統領について、「むしろ健康すぎる」と重病説を否定する発言をした。米コロラド州で開催されたアスペン安全保障フォーラムに出席した長官は、「CIAとしての正式な分析ではない」と前置きした上で、プーチン大統領の健康状態に関して多くのうさわがあるが、「我々の知る限りではむしろ全くもって健康だ」と述べたと米CNNなどが伝えている。

ウクライナ侵攻を続けるプーチン大統領の健康問題を巡っては、これまで多くの欧米メディアが血液のがんなどによる重病説やパーキンソン病を患っている可能性などを伝えており、4月にはがんの極秘手術を受けたと報じている。また、余命宣告を受けたことや影武者を使っていることなども取り沙汰されていた。

一方で、19日にイランのテヘラン入りしたプーチン大統領は、プライベートジェット機を降りる際に横向きになって最後の階段のステップを不器用に降りる様子が目撃されており、帰国した翌20日にも公の場でせき込む姿が見られ、健康不安説は依然としてくすぶっている。これに対し、ロシアのペスコフ大統領補佐官は21日、「テヘランでは気温が38度あり、冷房が効いた室内と温度差があったことから軽い風邪を引いただけ」と説明。「大統領の健康状態は良好」だと話し、偽り以外の何ものでもないと重病説を否定した。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)