前宮崎県知事のタレント東国原英夫氏(64)が14日、今年12月に実施される宮崎県知事選への出馬表明を17日に市内のホテルで行うことを明らかにした。

これまで16年ぶりとなる宮崎県知事選への出馬に関しては、県民有志から知事選の立候補を懇願され「出馬するかどうかについて、ニュートラルな立場からどのようにするか考えたい」として前向きな姿勢をみせていた。

ただし、16年前の2006年に知事選に初出馬したときに東国原氏を支えたスタッフには今春には出馬する意向を伝えていた。当時のスタッフの一部は現職で4選目を目指す河野俊嗣氏(57)の政策面におけるスタッフになっているメンバーもいて、元身内同士の戦いも火ぶたを切っている。

17日に知事選への出馬表明をするホテルは、地元紙や有権者から泡沫候補と揶揄(やゆ)された状況で立候補した2006年12月14日に報道陣を集めた場所と同じ。このときは地元宮崎県の県政記者クラブに声掛けせずに当時東京でのつきあいのあった報道関係者を中心に呼び込みをした記者会見だったこともあり「地元宮崎ではなく、東京をみて知事選を戦うのか」との質問が宮崎県内の報道陣から出るなどして、東国原氏が会見の席で宮崎県の報道各社に謝罪する一幕もあり、波乱の出発となっていた。

現在は東国原氏の出馬を見守っている当時のスタッフは「まさか東国原さんが、16年前と同じホテルを使って表明会見をするのはちょっと意外だった。当選をしたときに使った思い出の地なので、合理主義者の東国原さんも今回ばかりは験担ぎをしたのかもしれない」と話した。東国原氏は県産品をアピールするなどして全国的にも宮崎県の知名度を上げた功績はあるものの、県民から期待されながら1期で辞任したことが、現在宮崎県民から「今さら何で出馬するんだ」との声も上がる“逆風”の立場でもあり、縁起をかついで出馬表明の会見場を決めたのではないか、との憶測も飛び交いそうだ。

何を大義に宮崎県知事選への再出馬を決めたのか、17日の記者会見での東国原氏の第一声が注目される。【寺沢卓】