国税庁が発表した、若者を対象に日本産酒類の需要喚起に向けた提案を募るコンテスト形式のキャンペーン「サケビバ!」について、有識者やインフルエンサーからネット上で、批判や疑問の声が続々とあがる事態となっている。

国税庁は公式サイトで同キャンペーンについて、少子高齢化や新型コロナウイルス感染症の影響などで国内の酒類市場が縮小傾向にある中、「若年層自身にビジネスプランを提案してもらうことで、若年層へ日本産酒類の発展・振興に向けた訴求をするとともに、優秀なプランの公表により、業界の活性化を図ることを目的としています」と説明。来月9日を締め切りに、20歳以上39歳以下の個人またはグループで、酒類業界の活性化や課題解決に資するビジネスプランを募集している。

しかし日本文学研究者のロバート・キャンベル東大名誉教授(65)は18日、ツイッターで「気持ち悪いなぁー」と率直な思いを吐露。「カツカツのヤング世代に『酒をもっと飲め!』と刷り込む前に『アルコール離れ』で実現する健康寿命の延伸、労働生産性上昇、医療費削減等で財源稼ぎにフォーカスした方が良くね?」と疑問を投げかけた。

「2ちゃんねる」創始者で実業家のひろゆき氏(45)は「日本酒の販売促進って国税庁がやる仕事?」とツイート。経済学者の田中秀臣氏は「無責任で常識はずれの飲酒キャンペーン」と指摘し、「国税庁の元締めは財務省で、要するに若者の健康よりも酒税がほしいという国民などどーでもいい緊縮財政の姿を現していると思います」と私見を述べた。

また、「手を洗う救急医Taka」のハンドルネームで知られる医師の木下喬弘氏は、今回の企画が海外メディアにも取り上げられていることに言及し、「私も飲酒しますが、国がわざわざ推進するというのは他国から見たら奇異に映ると思います」と指摘。衆院議員の米山隆一氏は「酒税が欲しいから国税庁が若者にお酒需要喚起キャンペーンって、イギリス政府が銀の流出を止める為に清にアヘンを輸出した歴史を想起させます」とし、「驚くべきことに今回は外国政府ではなく自国政府がやっている訳ですが…。日本政府、常軌を逸していると思います」と批判した。