ロシア政府が5日、ウクライナ侵攻を批判している米俳優ショーン・ペン(62)とベン・スティラー(56)を新たに制裁対象に加え、永久に入国禁止にすることを発表した。

ロシア外務省は政治家や企業幹部、文化人など米国人25人の制裁対象者リストを発表し、その中にペンとスティラーも含まれていた。制裁対象になると、渡航禁止のほか、ロシア資産も凍結されるという。

ペンは今年2月にドキュメンタリー映画を撮影するため侵攻直前のウクライナを訪問し、首都キーウでゼレンスキー大統領とも会談。侵攻当日は大統領府で記者会見に出席する姿が報じられ、その後は徒歩で隣国ポーランドに脱出したことが明らかになっていた。

脱出後はポーランドでウクライナからの避難民を支援する活動に取り組んでいたペンは、3月28日に行われた米アカデミー賞授賞式でゼレンスキー大統領に演説の機会を与えなければ自身が獲得したオスカー像を溶かすと語って話題になったほか、「全人類にとって最も恐ろしい過ちを犯したことになる」とプーチン大統領を名指しで批判していた。

一方、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使を務めるスティラーは、「世界難民の日」に合わせて6月20日にウクライナを訪問し、キーウでゼレンスキー大統領と面会。「あなたは私のヒーロー」とたたえていた。スティラーはキーウだけでなく、侵攻初期にロシアが軍が進軍した激戦地イルピンにも足を運び、「実際にここに来なければ何が起きているのか理解するのは難しいと思う」と語っていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)