立憲民主党の小沢一郎衆院議員は19日、都内で開いた自身の政治塾で講演し、安倍信三元首相の銃撃事件を受けて今後、警察力の強化が推進されるとの見通しを示したうえで「警察力の強化は規制力の強化につながる。統制社会への雰囲気がどんどん出てくる」と、危機感を示した。

「殺された安倍さんがいちばん願っていた方向かもしれない。戦前の昭和史のような状況になりつつある」とも、指摘した。

一方で小沢氏は、岸田政権の内閣支持率について、毎日新聞社が18日に発表した世論調査で29%と3割を割り込み「危険水域」に入ったことを念頭に、「(今は)岸田政権の支持率は下がっているが、選挙になれば(有権者は)自民党に投票する」と指摘。

その上で政権交代の必要性をあらためて主張。「野党はダメといわれるし、ダメなことも事実だが、政権を代えることで今の濁った利権体質の政治を変えられる。それだけでもいいじゃないか」「野党に行政能力や政治能力がある、なしということ以前の問題だ」と強調した。

若い塾生らを前に「自立した人間がいて初めて、民主主義が成り立つ。日本の民主主義がまだまだ定着していないのは、国民自身が自立していないからだ」と主張。「諸君の時代をいい時代にするもしないも、君たち自身の力だよ。私は若い、次の世代の人に非常に期待している」と、呼びかける場面もあった。

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