ロシア南部チェチェン共和国の首長で、プーチン大統領の忠犬として知られるラムザン・カディロフ氏が3日、自身の14歳から16歳までの3人の息子を近くウクライナの最前線に送ると表明した。

今年2月にウクライナへの侵攻を始めたプーチン大統領を最も支持してきた人物の1人であるカディロフ首長は、ロシアのSNSテレグラムの投稿で「息子たちは幼い頃から軍事訓練をしており、実戦で試す時が来た。最も困難な地点に送られる」と述べ、迷彩服姿の10代の息子たちが訓練場でマシンガンやロケットランチャーなどさまざまな武器を使用する動画を公開した。

カディロフ首長は、ウクライナ軍による反撃が強まる中、東部リマンからロシア軍が撤退したことを受けて「戦況を改善するため小型核の使用を検討すべきだ」と発言したばかり。ロシアのぺスコフ報道官は、この要請を退ける姿勢を示した数日後に、今度は息子たちを戦場に送ると発言したことについて「冗談ではない」と述べている。

一方、18歳未満の子どもを徴兵や敵対行為に参加させることは戦争犯罪と見なされることから、実際に戦闘行為に参加することになれば物議を醸すことになりそうだ。(ロサンゼルス=千歳香奈子)