29日夜に韓国・ソウル市の繁華街、梨泰院(イテウォン)地区で起きた圧死事故を巡って、事故原因として坂道の上にいた人の中から「押せ、押せ」などとの声が上がり、坂道の下側にいた人々が次々と後方からの圧力で倒された可能性が指摘されている。

30日夜、韓国YTNテレビは、警察当局が防犯カメラの映像、当時現場にいた人から提供されたSNS動画などを調べた上で、事故原因について慎重に調べていると伝えた。同局はSNSの映像で、当時坂道の上にいた人から「降りろ、降りろ!」「出ましょう!」「押せ、押せ!」などの音声が入った映像を放送した。その上で、警察当局は当時の現場の映像をもとに事故原因を調べているという。映像では、事故現場は多くの人でごった返し、前に進まない状況が見受けられる。

韓国ソウルでは3年ぶりに自粛規制のないハロウィーンに近い週末を迎え、29日夜は10万人を超す人々が梨泰院を訪れていた。ソウル市の消防当局は29日夜に起きた転倒事故によって、153人が死亡、133人が負傷したことを明らかにした。多くが圧死とみられる。

日本政府関係者によると、その中には10代と20代の日本人女性2人が含まれているという。死傷者の多くは10代、20代の男女で、時間の経過とともに死者が増えている状況だ。