10月28日に将棋「順位戦A級4回戦」(東京・千駄ケ谷「将棋会館」)で、マスクを着用しなかったことを対戦相手の永瀬拓矢王座(30)に指摘され、反則負けした佐藤天彦九段(34)が1日、不服申し立てを提訴した。「反則負け判定の取り消し」「対局のやり直し」などを求め、「不服申立書」を日本将棋連盟に提出した。

書面の中で、ある一定の時間(合計1時間にわたり)マスクを着用していなかったと認めたものの、長時間失念しており、故意ではないと釈明。裁定については、著しく相当性・公平性を欠くとしている。

自身のツイッターを同日、更新し、ファンに謝罪するとともに「今回の裁定に納得がいかない部分もあります」と、連盟に改善を求めたことも明かした。

佐藤天九段の行為については、連絡を受けた連盟の鈴木大介常務理事(48)が佐藤康光会長(53)と協議。中継映像を確認の上、今年2月から実施された「対局中は原則として不織布マスクを着用。規定に反したときは反則負け」という臨時対局規定に基づき、反則負けとされた。判定後1週間以内に、常務会に不服申し立てができるという規定に基づき、提訴した。