寺田稔総務相の「政治とカネ」をめぐる疑惑や問題が、「底なし」の様相だ。

寺田氏は8日午後の衆院特別委員会で、自身の政治団体が政治資金収支報告書に添付した「寺田稔」宛ての領収書に関し、筆跡が酷似するものが11枚あるとして“偽造疑惑”を「文春オンライン」が報じたことを野党に質問され「実際に誰が書いたのか確認する」と、釈明に追われた。

午前の質疑では、貸し付けた600万円の借入先の政治資金収支報告書などへの未記載を指摘されて、「確認中」を繰り返すばかり。これまでの収支報告書の訂正回数を「4回」と答え「(今後)事務的ミスが絶対ないとは申し上げられない」と発言。事実上更迭された山際大志郎前経済再生相と同様の答弁で、質問した立憲民主党の後藤祐一氏は、寺田氏が政治資金規正法を所管する立場だけに「山際氏よりたちが悪い」と辞任を要求。寺田氏は「職責を果たす」と拒んだ。

寺田氏は岸田文雄首相の側近だが、ずさんな「政治とカネ」が日々露呈し「総理は守れるのか」(自民党関係者)。山際氏に続く「辞任ドミノ」が、現実味を帯び始めたとの臆測も出ている。【中山知子】