同性愛者であることを公表し、2019年参院選で初当選した立憲民主党の石川大我参院議員は、9日の参院政治倫理・選挙制度に関する特別委員会で、2018年7月発売の月刊誌に、LGBTなど性的少数者について「生産性がない」などとする内容の寄稿をした自民党の杉田水脈(みお)総務政務官に、謝罪と寄稿内容の撤回を求めた。

杉田氏は「当時から、LGBTの方を差別する意図は全くなかった」と述べ、謝罪や撤回には一切応じなかった。当時の寄稿について「つたない表現」だったとした上で「不快に思われた方がいたことは、重く受け止めている」と主張。これに対し、石川氏は「重く受け止めることと、謝罪、撤回することは全く違う」として再三、謝罪と撤回を求めたが、杉田氏は「率直に反省している」などと述べるにとどめた。

杉田氏は、LGBTの当事者との交流を続けているとして「1人1人に背景がある。さまざまな方からお話をうかがっている。どのように政治が寄り添えるか、今考えている」などの答弁を重ねたが、野党席からは「撤回しろ」などのヤジも飛んだ。

質疑の最後、石川氏は「あなたの発言で、LGBTの多くの人が傷ついた。謝罪、撤回しないという信念を貫くということか」として、政務官の辞任を求めたが、杉田氏は「(自身の)努力をもって、社会に還元していきたい」と応じるにとどめた。

委員会終了後、取材に応じた石川氏は「内容に関して『反省』という言葉は使っているが、謝罪と撤回を拒否するというのは、反省されていないということ。差別する意図はないともおっしゃったが、結果的に差別や偏見が助長され、広がりっぱなしになっている」と指摘。「責任があまりにも無自覚。(投稿の)責任を取ってもらわないといけない」と述べ、政務官の辞任を求めていく考えを示した。今後も、国会での質問の機会を通じて杉田氏の責任をただしていくという。