岸田文雄首相は19日、東南アジア歴訪を終えるに当たって訪問先のタイで記者会見し、「政治とカネ」問題で与党内でも辞任論が広がる寺田稔総務相を続投させるのか問われ「どうあるべきか、内閣総理大臣として判断していきたい」と述べ、続投させると明確に答えなかった。早い段階の更迭に含みを残した形だ。

首相は、今後、第2次補正予算案成立や旧統一教会の被害者救済新法、安全保障3文書改訂など政権が諸課題に直面していることに言及。その上で「各閣僚も、求められる説明責任は徹底的に果たしていただかなければならない。この2つの観点から判断したい」と述べ、寺田氏の問題が国会審議に影響することを避けたい思いもにじませた。

首相は、山際大志郎前経済再生相や葉梨康弘前法相が辞任する前、更迭の可能性を問われ「そういったことはまったくない」「説明責任を果たしてほしい」と、明確に否定していた。山際、葉梨両氏の更迭時は「ドミノ辞任」を恐れて判断が遅れて決断力のなさを露呈しただけに、今回は早期に決断する可能性がある。

内閣改造の可能性については「難しい仕事を仕上げることをすべてに優先させるためにどうあるべきか。適切なタイミングを判断していきたい」と述べた。