アイドルグループ「光GENJI」元メンバーの俳優大沢樹生(53)は1日、東京都北区で記者会見し、来年春の東京都北区長選に出馬することを正式に表明した。無所属で、北区に設立された地域政党「東京新党16」(大野公寿代表)の推薦を受け、出馬する。

「(芸能界で活躍した)過去の栄光で、この選挙を戦うことができるとは思っていない。現在進行形の大沢樹生として、向かっていきたい」と決意を示した。

大沢はかねて「政治には関心があった」とした上で、「特に強く関心を持つようになったのは、コロナ禍の3年。自分の中の思いと、北区とのご縁のタイミングが重なった」という。芸能界での活動は約40年に及ぶ。その経験を生かし「政治家には発信力が必要。そこは、自分の強みだと思っている」と述べた。

文京区で生まれ江東区で育ったが、北区とは縁が深く、同区を拠点とするプロレス団体「シアタープロレス花鳥風月」と10年以上の親交があり、リングに上がったことも。また、北区を舞台にした映画「サムアップ!!」で主演を務め、この日、上映会も行った。

映画の撮影でさまざまな場所を回り、区民とコミュニケーションを取ったことも、出馬を決めたきっかけになったという。

光GENJI時代は、ローラースケートを駆使したパフォーマンスが有名だが、「ローラースケートで回れば効率は良いが、そんなことはない」と笑いつつ「(芸能界では)スポットライトを浴びても普段は皆さんと同じ。子どももいるし、普通の家庭で、いまは電車で移動している。痛みも分かっている」と訴えた。

区長に当選した場合、区民の声を直接聞く場を設けるとし、自身を支える専門知識チーム「大沢樹生プライベートシンクタンク」や、区民が直接討論会をできる場として「大沢樹生100人評議会」を立ち上げる考えも示した。

キャッチフレーズは「未来に光 地域(まち)にGENKI」。「生涯北区」をうたい、経済立て直しや高齢者、子育てなど6つの重点政策も掲げた。

北区長選は来年の統一地方選に合わせ、来年4月に投開票される見通し。現在、5期目の花川與惣太(はなかわ・よそうた)区長(87)は、6選出馬を目指すかどうかまだ表明していない。大沢は、前回の区長選で花川氏が獲得した6万5807票を上回る票を目指すとして「若い方々もぜひ選挙に参加してほしい。みんなで(北区の)政治をつくっていきたい」と、呼びかけた。

現在は区外に居住しており、近く単身で北区に住民票を移す予定だという。【中山知子】