岸田文雄首相が表明した「防衛増税」をめぐる財源のあり方について14日、自民党本部で所属議員が意見を述べる会合が開かれた。

首相は13日の党役員会で「今を生きる国民が自らの責任として重みを背負って対応すべき」などと発言し、インターネット上で批判が拡大しているが、この日の党会合でも、首相の拙速な決め方に対し批判や疑問の声が相次いだ。

牧原秀樹衆院議員は会合後の取材に、「これだけ大きなことを、時間があまりにもない中で、無理やり決めようとしているプロセスが問題だ。財源をどうあてていくかは、真摯(しんし)に議論を重ねればいい。今日示された内容でも、具体的な数字が入っていない。それを土台に(結論を)決めろというのは、国民に説明がつかない」と指摘した。

高鳥修一衆院議員は「いくらなんでも無理だ。総理が『聞く力』をしっかりお持ちなら、党内の声、国民の声をしっかり聞いて欲しい」と訴えた。

「ヒゲの隊長」こと佐藤正久参院議員は「国民に税をお願いするのは、最後の手段。税を上げるのは、為政者には簡単なことでやろうと思えばできるが、お願いする前に本当に必要な経費なのか、やりくりした上で、最終的にお願いするのが納得感につながる。それをしっかり踏んだほうがいい」と指摘した。

城内実衆院議員は「今日の場では、(党側の)一任の取り付けはなかった。それぞれの税目の説明はあったが、賛否両論あった。(自分は)納得していない」とした上で「本来なら(自民党の)政調会のもとでしっかり中身の議論をしないといけない」と述べた。【中山知子】