TBSのバラエティー番組「ここがヘンだよ日本人」で活躍したゾマホン・イドゥス・ルフィン氏(58)が、来年1月8日に投票が行われる祖国、ベナン共和国の国会「国民議会」の選挙に立候補することが21日、分かった。

ゾマホン氏は留学生として上智大大学院在学中の1998年(平10)にスカウトされて「ここが-」に出演。熱い語り口と派手なリアクションで人気者に。ビートたけし(75)の付き人も務め、たけし軍団の一員としても活躍した。

ベナンでは16年に実業家だったパトリス・タロン大統領(64)が就任後、強権政治が続いているという。同年、ゾマホン氏もそれまで務めていた駐日ベナン共和国大使を外れた。ゾマホン氏は大統領の反対勢力の政党から出馬する見通しで「国民の不満を解消するために国会に立候補します。経済を活性化させて、私の持つパイプも使って外交を復活させたいと思います」と話している。

ゾマホン氏はこれまで、タレント活動で得たギャラや著書の印税、たけしや所ジョージ(67)の応援も受けて、ベナンに「たけし小学校」「所ジョージ小学校」など小学校を7校開校。無料の「たけし日本語学校」も開校し、その様子は番組などでも伝えられた。02年にはベナンの国民栄誉賞を授与され、12年から16年にかけて駐日ベナン共和国大使を務めていた。

◆ベナンの政情 1960年フランスから独立。90年に民主化され、国名がベナン共和国に。実業家のタロン大統領は就任後、自身に有利な形に選挙法改正を強行するなどの強権政治を発動。21年の選挙では多くの他候補が失格となり、タロン大統領が大差で再選した。一院制の「国民会議」は定数83人、任期5年。政党名簿比例代表制で選出。

◆ゾマホン・イドゥス・ルフィン 1964年6月15日、ベナン生まれ。10人きょうだいの末っ子として苦学してベナン唯一の国立大に86年入学。93年北京語言文化大卒。94年に来日して日本語学校へ。午前中は通学し、午後はバイトをかけ持ちしていた。96年上智大大学院入学。「日本とベナンの架け橋になりたい」という夢を持ち始めた頃に、東京・高円寺のラーメン店で「テレビ番組に出てみないか」とスカウトされて「ここが-」に出演。98年、タレント活動開始。02年ベナン共和国国民栄誉賞。167センチ、70キロ。血液型O。