22年も将棋界、囲碁界は盛り上がりを見せた。将棋界では藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が2月、19歳6カ月の史上最年少で5冠達成を成し遂げた。その後、叡王、棋聖、王位、竜王の順に防衛し、5冠を堅持。棋王の挑戦権も獲得し、年度内6冠へ大きく前進した。囲碁界では仲邑菫三段(13)が初タイトル獲得まであと1歩に迫っている。

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仲邑菫三段(13)が、ついにタイトル戦の舞台へ登場してきた。4月の女流名人戦に13歳1カ月の史上最年少で初めて挑戦してきた。一発勝負で行われた7月の扇興杯では準優勝。今月8日には女流棋聖戦への挑戦権を初めて獲得し、来年1月から上野愛咲美女流棋聖(21)と3番勝負を行う。

昨年43勝で自己最多勝だったが、今年はそれを上回る48勝を挙げた。2019年(平31)、小学生を対象に日本棋院が初めてプロにした英才特別採用棋士としてデビュー。着実な成長に、同院理事長の小林覚九段(63)は、「従来の採用試験とは違った、私たちの採用方法は間違いではなかった」と強調した。

もし、女流棋聖戦に勝てば、藤沢里菜女流本因坊・女流名人(24)が14年の会津中央病院杯(現在の女流立葵杯)で達成した、15歳9カ月の史上最年少記録を大幅に更新する。【赤塚辰浩】

○…囲碁では史上最年少9歳のプロ棋士が誕生した。関西棋院は9月、英才特別採用で小学3年の藤田怜央(れお)初段を史上最年少9歳4カ月でデビューさせた。才能ある子を早くから育成するため、関西棋院が今年4月に新設した「英才特別採用」の規定をクリアし、採用された。19年に10歳0カ月でプロになった仲邑の国内最年少記録を3年5カ月ぶりに更新。年明けの公式戦3戦目でのプロ初勝利を目指している。